反転学習の実践例

授業

今回は僕が実際にやっている反転学習の方法と、自分が感じた効果について紹介します。

  • 反転学習をそもそも知らない。よくわからない。
  • 知ってるけど実際にやったことがない。
  • 自分もやってる!

このようないろいろな先生方にとって有意義な情報となると思いますので、ぜひご参考にしてください。

文部科学省の資料によると、反転学習(反転授業)とはこのようなものだとあります。

従来、教室で行われていた「知識伝授」の要素をビデオ化し、自宅にて学習し、従来、自宅で宿題を通して行われていた「知識の咀嚼」の要素を教室で行う教育形態。
教室で双方向の授業(アクティブ・ラーニング)を展開したり、生徒の習熟度に応じて教員が指導をしたりできることにメリットがある。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/004/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2013/08/26/1338978_06.pdf

つまり、これまで
学校・・・新しい知識を学ぶ場所
自宅・・・学校で学んだことを復習する場所

だったものが、
自宅・・・新しい知識を学ぶ場所
学校・・・自宅で学んだことを使って問題解決に取り組む場所

に変わったものが反転学習だということです。

それでは僕が実際にやった反転学習の方法をお伝えします。

①動画を作成・配信する

まずは教科書の内容に沿った動画を作成しました。
作成した動画は大体5〜7分程度です。
(あまり長すぎるとなかなか動画を見てくれません)

動画をわざわざ作らなくても、教科書を読んで理解できるのであればそれでもいいと思います。
もしくは、スタディサプリを導入している学校は、視聴する動画を指定してしまってもいいと思います。

授業が終わったタイミングで家庭学習用動画をgoogle classroomで配信しました。
次回の授業までに視聴して、内容を理解してくるという約束です。

②授業の冒頭で確認テスト

授業の冒頭5分程度で、動画の内容の確認テストを行いました。

僕個人としては、作成した動画を見なくてもいいと思っています。
生徒それぞれ勉強しやすい教材があると思うので、動画を見たい生徒は動画を、教科書で勉強したい生徒は教科書を使えばいいかと。

ただ、自宅で基本的な内容を学んでくることが前提なので、確認テストをします。
これをしないと、何も準備をしてこない生徒もいるので、反転学習をするうえではマストかなと個人的には思います。

ちなみに、僕は小テストは「google form」で行いました。
これを使えば、即時に集計ができ、採点も自動で行うことができます。
集計結果は黒板にプロジェクターで投影しました。得点分布が一発で表示されるので、勉強してこなかった生徒にはいい刺激になると思います。もちろん匿名です。

③発展問題に取り組む

確認テストが終わったら、入試問題などの思考力を使う問題に取り組ませました。
3〜4人のグループを作り、話し合いながら取り組みます。
思考力と表現力を使い、協調性を養うことを目的とし、時間をたっぷり与えました。

班の回答は「google form」に入力してもらいました。(このときは自動採点はしない)
そして、各班の回答をプロジェクターで投影し、問題解説を行いました。
各班の回答分布を投影することでゲーム感覚で取り組めるのがメリットです!

反転学習をしている僕からみた、メリットとデメリットを上げるとこんな感じです。

  • 授業内で問題演習を必ず実施できるので、思考力を養うことができる。
  • 生徒同士の教え合いができるので、取り残される生徒が少ない。
  • 確認テストをすることで、主体性の評価に役立てる。
  • 授業が計画通り進んでいくので、進度がわかりやすい。
  • 「知識技能」と「思考力判断力表現力」のどちらの力が足りないのか判断しやすい。
  • 動画作成、問題選定、google formの作成など、準備が大変。(ただし、一度作成すれば再利用可能。)
  • 自宅での勉強が前提となるので、生徒の理解を得なければならない。(僕は反転学習をする意味を伝え、生徒の承諾を得てから反転学習をしています)
  • 生徒の年齢や学力によって実施が困難な場合がある。
  • クラス内の学力がある程度揃っていないとできない。

僕自身、反転学習をしてまだ2年目です。

ですが、今のところはメリットに対してデメリットのほうが少ない感じがしています。

個人的に反転学習は好きな授業法の一つです。
ですが、年間を通してすべての分野で反転学習をするというよりは、「この単元は反転学習をやってみよう」というくらいのほうが、生徒にとっても教員にとっても、新鮮味があっていいかもしれません。(笑)

これから反転学習をやってみようという先生がいらっしゃったら、ぜひ参考にしてみてください。

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